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PCoIPのトラブル対応

ご存知の通りPCoIPはUDP通信です。一応View Client /Agent間の通信は再送性があるということになっていますが、意外と色々な欠点があります。
PCoIPでの症状は大きく『VDIからの切断(繰り返しも含む)』、『画面がぼやける(遅延)』、『つながらない』、『固まる(マウスは動く)』です。
『固まる(マウスは動く)』については、ユーザの殆どはキー入力での動作確認ではなく、『マウスが動くか動かないか』で判別する人が殆どです。このため、『動いていますか?』というとマウスを動かしてカーソルが移動するので『動いてます(けど画面が更新されない)』という回答をする人が殆どです。

変わった症状では、シンクライアントに内蔵されているCMOS用のボタン電池切れが意外と怖い症状を起こします。電池のため、切れていても実害は出ませんが例えば『席移動』や停電があった次の日にPCを起動しようとすると給電がないため、マザーのシステム時間がずれてします。この状態でSSLの証明書を利用しているとシンクライアントの時間が大幅に戻るため、証明書の期間外となってHorizon ClientのログインIDとパスワードの画面まで進まない症状を発生させます。また、ドメインに参加していないシンクライアントは5分以上NTPとずれると自動同期されないため、手もしくは管理サーバから時間同期ジョブが配信されないとつながらない状態が継続します。

シンクライアントハード故障による通信不安定化
 シンクライアントはのハード故障はこれまで確認した中では、『NICの故障』、『OS記憶領域として利用される不揮発性メモリの故障』、『マザーの電源故障』、『ACアダプタの故障』がありますが、PCoIPを利用するようになってから顕著にユーザからの申告が増えたのは『NICの故障』です。これはVDIのデスクトップが表示されてからしばらくすると何度も切断されるようになります。
NICの故障』、『ACアダプタの故障』はほぼすべての症状を発生させますが、『マザーの故障や『OS領域~のメモリ故障』は、朝出勤して起動したら起動しない状態となります。

②ハブ/LANケーブルの劣化
 単なる爪折れを除き、ハブが5年程度経っている場合や古いLANケーブルが机や椅子の脚に下敷きになったりしているとまずは遅延が発生し、机などの移動で部分断線により通信が切断されるようになり、またいじると戻るという面倒な症状に繋がります。

③OAタップの劣化
 これは私も1回しかありませんが、OAタップの劣化とたこ足で電源供給が不安定な状態が発生する事でNICが安定しなくなる事があります。このときはケーブルを差し替えて知事対処としました。

④回線
 普通にBフレッツとかADSLという意味での回線です。ONUやルータの劣化でも発生します。現職の地方拠点でADSLを利用しているところがないので比較できていませんが、ネットワークの不安定さを考慮すると例えば8MのADSL回線でNTT基地局から遠く、回線速度が出ない場合等にほぼすべての症状が出る可能性があります。

⑤画面解像度が高すぎる
 メモリの少ないシンクライアントで高解像度のVDIや複数VDIに接続すると、メモリ不足でタスクバーにメモリ不足のメッセージが表示されます(少なくともXP Embeddedではそうなりました)。メモリが足りないので再起動するまで繋がりません。
参考までに1GBメモリのシンクライアントで1024×768表示のVDI1つにつなぐのはOKでしたが、2つにつなぐと発生していました。
このことを考慮すると大画面でPhotoshopや3Dレンダリングソフトを利用するVDIへの接続では、グラフィックチップのある大容量メモリのクライアントかBIOSでグラフィックにメモリ割り当てを変更することをキッティング作業に盛り込む必要があると考えられます。

⑥ネットワークが不安定な環境
これに関しては非常に難しいです。社内のVPNもしくは経路上の一部のネットワーク機器が不安定な場合だけでなく、私が体験したものでは『WindowsUpdateの配信日』にPCoIPで切断されるという問題がありました。2015-2016年頃でもっとも発生したのは新潟で、VPN業者のほうでも他のユーザ企業で同様の問題が発生していましたが、こればかりは別の回線を利用する以外に対処がないという状態です。
※2016年11月には緩和されていますのでWindows10配信による影響が大きかったのでしょう
ドメインコントローラの負荷が高すぎる
ユーザが100人いてVDIに変更する前は100台のPCを利用していたのが、VDIになったことでシンクライアント+VDIで200台に増えますのでドメインコントローラの負荷は2倍に跳ね上がります。これによりドメインコントローラが処理できなくなり、共有PCのプールではAさんがログインしたことでVDI001が割り当てられてパワーオンしたのに、Bさんがログインした際に、Bさんに奪われる。Aさんのログイン先がなくなりエラーが出るのでもう一度ログインし直してVDI002が割り当てられパワーオンしたのにCさんに奪われるという事もあります。